多くの花には「花言葉」というものがつけられています。
「愛」「感謝」「永遠」などの素敵な言葉も多くつけられており、その花を贈ること自体に花言葉の意味をもたせることができると考えるお客様もたまにいらっしゃいます。
ただ、花言葉にこだわる方は花言葉を主体に考えてしまって「季節」や「どんな花か」を見落としてしまうケースがあるようです。
過去にイチジクの花を花束に入れてほしいというお話がありました。イチジクという植物は花が果実の中にあります。スーパーなどで売られているイチジクの実の中につぶつぶがあると思いますが、それが花なのです。
こんな無茶な要望はきっと花言葉ありきのことと思い、花言葉を調べましたら「子宝に恵まれる」でした。妊娠中または妊活中の方へ贈る花束だったのかもしれません。
最終的に、このご注文はお断りしました。
ハナミズキを花束にというご要望も受けたことがあります。ハナミズキは庭や街路樹によく植えられている「木」です。生け花や和風の活け込みに使う枝ものとして市場で流通はしていますが、これを花束にという発想はどうも花言葉が怪しいと思い、これも調べてみました。「私の思いを受けてください」でした。意味はいいのかもしれませんが、木の枝の花束ってどうなのでしょうか?これもお断りしました。
先ほども「ベルフラワー」を使って花束を作ってほしいというお電話がありました。ベルフラワーは切り花として出回るものではありません。花壇や鉢植えに植えるキキョウ科の花で、草丈が10センチそこそこの草花です。しかも季節は今とは真逆の春の花です。
じつは花言葉にまつわるご要望は、ほとんどが男性からいただきます。そして、きちんとお受けできるご注文にまでたどり着けるケースが非常に少ないです。