毎年、ピアノの発表会にステージの装飾用の花鉢を人数分ご注文くださる音楽教室があります。
人数が多いため花の数が多いので、ステージに並べた時の景観は非常にきれいです。
発表会はプロのコンサートと違って写真撮影OKです。親御さんたちは、ステージの最前列にズラリと並べられた花たちもカメラのフレームに入れつつわが子の晴れ舞台を撮影するのです。
発表会が終わった直後に、出演した子供たちが客席からステージのところまで押し寄せて来て、たくさんある花鉢の中から気に入ったものを各自、確保します。それを先生方にビニール袋に入れてもらって持ち帰るのが恒例になっています。
子供たちは花なんて興味がないかと思いきや、われ先にとステージに駆け寄って品定めする姿はバーゲンに群がる主婦たちのようです。ある意味怖いようでもあり、花屋としては何だか嬉しい気分になります。
実は、花鉢の納品は前日の夕方に済ませています。
一晩超えて本番を迎えますので、花屋としては少し不安を抱えてその一晩を過ごします。
以前に、前日納品時は何の問題もなかったのに当日の朝になると花鉢の状態が悪くなっていたことがありました。水加減の問題なのか、会場の温度が原因なのか、活気のないよどんだ空気がいけなかったのか、さっぱりわかりません。その時はすぐに市場に走って、できる限りの部分を取り換えなんとか無事に開幕を迎えました。
温室で頑張って育てたものは、いきなり実社会に放り込むと調子悪くなることがあるんです。今まで育ってきた環境と違いすぎるわけですね。